『春が来る』

『春がくる』とは

2018年

宮城県亘理郡山元町。東日本大震災において甚大な被害を受け多くの人命を奪われた。

その沿岸部の危険区域、花釜地区に曹洞宗普門寺がある。そこでは定期的に内外のボランティアによる「てらカフェ」が開催されている。

 

“大地を捏ねほほ笑みを”

…温もりを”

そこに集う丹治陽子さんの手と土から産み出される素焼きのお地蔵さま。丹治さんの呼びかけで、毎年営まれる3月11日の慰霊法要に向けて一年を掛け様々な人々の祈りと願いを込めたお地蔵さまが産み出され優しい笑みが、まごころが、ここに集う。

 

“願いのあかりを灯そう”

“出逢いの…

“空の…

住職と仲間たちは、その慰霊法要が天に届きますようにと願い。魂が出逢えますように。無心の祈りを託し。無数の竹あかりを灯す。僧侶たちの読経が響く。

 

そして、東北に春が訪れる。

君は忘れ得ぬ記憶を押し込めることはない。いつでも思い出して泣けばいい。いつの日か穏やかな春が巡ってくるのを、ゆっくりと待てばいい。

僕はこの身の細胞の一つ一つまでを奮い立たせ、春を迎えに行くよ。笑顔を武器に、楽しいことを探しながら。

 

この曲を書けたとき私自身の中で何か、折り合いがついたというか、腑に落ちたような、ほっとしたような、そんなものを感じた。

もやもやとしていた感情をやっと受け入れられるようになったということなのか、無理に春を喜ばなくてもいいと思えたからなのか…

 

 

 

歌詞

『春がくる』

 

春がくる
あの日を境に北の町に春がくる

花がさく
荒地にも砂浜にも花がさく

「さあ、進め!」と
急かす風が頬をかすめ吹き抜ける
そこにはまだ
まだこころは居ないのに
だから君はゆっくり行こうよ
ゆっくりと
僕はまやかしの春をまとって行くよ
少し前を

何度目かには本当の春に
出逢えるかもしれない
出逢えないのかも
それでもまた次の春のため
大地を捏ねほほ笑みを
君と僕と魂のため
願いのあかりを灯そう。

それでもまた次の春のため
大地を捏ね温もりを
君と僕と魂のため
出逢いのあかりを灯そう

空のあかりを灯そう

春がくる
春がくる
春がくる
春がくる